墨の話・紫の効果

こんにちは



紫紺系黒、といえば幽玄な墨色でおなじみですが

(ここでいう幽玄とは趣などの深さを意味するものとします)


実際、紫には深さを感じる効果があるため幽玄と表現されるのです


色には後退色と進出色があり、冷たく感じる色は後ろに下がって


暖かく感じる色は前に出るように見えます



青い車は事故に遭いやすいといわれていますが


青は後退色に分類されるため距離がうまくつかめず


ぶつかることが多いといわれています


ちなみに事故率が低いのはシルバーの車らしいです



さて、

紫も青と同様に後退色に分類されます


物体の色は物体が可視光線を反射することで現れます


可視光線は380㎚~780㎚の電磁波でできています


 画像引用元:http://www.my-craft.jp/html/aboutled/led_supekutoru.html


左に行くほど波長が短く、右に行くほど波長が長くなっています


波長が短い色ほど後退して見え、長い色ほど進出して見えます


紫は色の中で最も反射する波長が短いため、

とても深い奥行きを感じられる色といえます


このため、紫紺系の墨は深さを感じ幽玄とされるのです



ちなみに、紫が高貴な色なのは冠位十二階の最高位に制定されたことや、


紫色の天然原料が貴重だったからといわれています


人工的な紫は1856年に「モーブ」が世界で初めて作られたそうです



作品に奥行きが欲しいとき、紫の墨(帝王紫墨など)を混ぜてみるのもいいでしょう





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